4月の月例テストの結果をみると、基礎学力はあるのに得点が十分に取れていないというケースが多いように思われます。得点というのは、単純化すれば次の2つの要素のかけ算であるといえます。

①解ける問題のパターンがどのくらい多いか

②解ける問題でどのくらい確実に点を取っているか

①については、ここでは触れません。日々の学校、塾、自宅での学習の積み重ねで強化していくしかないことですから。

今回話題にしたいのは②です。取れるはずの点をみすみす逃しているケースが実は多いのです。ここを注意すれば、知識や思考力が今のままであっても、得点を大きく(場合によっては20~30%)上げることも可能なのです。

テストを受けている皆さんを見ると、解答用紙を埋めることだけに勤しんでいるように見えます。もちろん解答用紙が埋まるにこしたことはないでしょうが、埋めるからには「正解で」埋めてほしいのです。空白が多くても正答率が高ければ得点は伸びます。全部埋めたけれど正答率が40%だったら40点ですが、7割埋めて(3割は空白で)そのうち8割が正解なら56点なのです。

採点前に見れば、全部埋まっている答案はとてもえらそうに見えますが、大事なのはそこではありません。大事なのは正答率です。

以下の点に気を付けて「取れる点をしっかり取る」人になりましょう。

効率的な受験勉強につながることを保証します。

〜正答率を上げるために必要な4つのステップ〜

①自分のテストを見返してみて不正解だったところを、

(A)自分の学力では無理だった問題と(B)本来ならできたはずなのに落としてしまった問題に分けてみてください。

全部Aだったら、君は取るべき点はすべて取ったのですから後悔はないでしょう。知識・学力を向上させることに集中してください。ですが、ほとんどの人ではBの部分が相当多いのです。20点、30点取りこぼしていたりするのではありませんか。もう20点取れていたとしたら、一つ上の自分、という感じですよね。口惜しくないですか。不注意などで取れるはずの点をみすみす取りこぼすことの深刻さを感じてほしいのです。そこから確実性を目指す一歩が始まります。

②日ごろ問題を解く中で、自分がどんなところで、どういうミスをする傾向があるか、常にチェックしてみてください。

「このパターンでは楽勝だけど、このタイプになると正解がぐっと減るな。」というポイントがあると思います。わかっていないわけではないのにミスが出やすいところ、そこに気づいて対策を立てれば勝機が見えてきます。塾で「こういうタイプの問題を克服したいです。」とかいえるようになれば大きな成長ですね。

③問題を解いたその場で、自分の答えにミスがないか、チェックする習慣をつけましょう。

数学なら「符号の処理は正しいか」「計算の順序はただしいか」「式の計算と方程式をごっちゃにしていないか」「円や球の問題でπ(パイ)を落としていないか」などのチェックポイントがあります。方程式だったら、出た答えを元の式に代入してみれば正解かどうかはすぐにわかります。英語だったら「単数か複数か」「人称が一か二か三か」「時制はOKか」「文末のマークはきちんとついているか」などのチェックポイントがありますね。問題を解きっぱなしにするのではなく、これらのチェックをササッとやるだけで、ミスのほとんどを根絶できるのです。

④問題を解く順番をまず整理しましょう。

解く順番によって、得点が変わることがあるのは知っていますね。考えても糸口がつかめなきような問題に延々と時間を使ってしまうと残り時間がなくなって、やればできたはずの問題が手つかずになってしまうことがあります。これはもったいないことにですから気を付けてください。できそうな問題からやっていくのです。手間がかかる問題を後に回すことで、得点が大きく伸びることもあるのです。