猛暑・地震・台風と気の休まらない日々でしたが、だいぶ涼しくなり、気候も落ち着いてきたようです。受験を控えた人にとっては涼しさが寒さに変わり、その寒さがピークに達する頃が受験本番になるわけで、気温が低くなる、イコール受験が近づいてくるという感覚を早目に身に付けるようにすると直前になって急に焦ることはなくなります。

過去問への取り組みについて

受験生にとって志望校の過去問は、必要とされる学力の最終チェックに最も役立つアイテムですが、やってみて出来が悪かったりすると一気に自信が崩れる恐ろしさも秘めている、手強い相手でもあります。過去問をうまく利用するにはいくつかポイントがあります。

①小分けにせず、少なくとも一教科の一年分は時間を計って一気に解く

問題の分量や難易度と、自分の集中力のバランスを知るためです。途中で制限時間が尽きてしまったらペンの色を変えて続行してみてください。解く力がネックになっているのか、スピードがネックになっているのかは是非把握しておく必要があります。

②コピーを取ってから解く

あとで何回も見直すことができるよう、コピーを取ってから解くこと。オリジナルの問題に直接書き込むことは避けてください。最重要アイテムなのですから、一度きりで無駄にするのはもったいないです。また、最初は単語を電子辞書で引いたりという外部の補助は一切なしで、裸一貫で勝負してください。そうしないと自分の力でどこまで本当にやれるのか分からないで終わってしまいます。

③抑えの学校の過去問を早めに解く

抑えの学校の過去問は早めに手がけ、第一志望の過去問は少し後にとっておくこと。受験本番まで学力を伸ばしていくものですから、まだ力が整わないうちに本命の学校の過去問に立ち向かっても大抵歯が立ちません。10月頃に抑えの学校の問題を手がけ、11月〜12月頃に第一志望の問題に手を付けるのがベストでしょう。

④過去問から特徴を掴む

出題形式、出題傾向は早目に掴んでおくこと。実際に解いてみる前に大まかな出題傾向は知っておきましょう。そうしないと受験対策の勉強の方針が立てられないからです。例えば英語でリスニングがあるか、国語で古文、文学史、文法などが出題されるかどうか、数学で証明問題などは出るか、解答形式がマークシートか否か、などは重要なポイントです。それを把握しておけば似た出題形式を持つ少し偏差値の低い学校の過去問などを見つけて練習として取り組むなど、有効な対策も打ちやすくなるでしょう。

⑤年度順に解く

過去問は年度の古いものから手がけること。出題傾向が大きく変わっている場合は問題をやる意味がなくなりますが、最近のものと出題形式が同じであれば古い方からやって行きましょう。それで全体に出題形式に慣れてペースも掴めたところで最も参考になる最新年度の問題で勝負するのが良いパターンです。

以上のポイントを踏まえて、最強の敵である過去問を最大の味方につけてください。健闘を祈ります!