5月後半は夏本番かと思うような暑さが続き、大変でしたね。まだ身体が暑さに慣れていない時期ということもあり、熱中症になった人も全国で相当な人数になったようです。ただ、真夏の暑さは輪をかけて厳しいはずです。最近の暑い時期は湿度が高くなかったので、日影にいたり、風に当たったりすると快適なこともありましたが、真夏は湿度も高いので一層不快です。気温も35℃超えが当たり前のように続きます。大地も大気も熱を蓄積しているので、夜になってもほとんど涼しくならないでしょう。そのあたりが5月よりきつくなるはずです。最近の暑さを夏の予行演習だと思って、水分補給などには気をつけて過ごして下さい。

新指導要綱に基づいて各教科で思考力を問う試みが盛んです。手持ちの知識ですぐ答えが出ないような問題や、そもそも正解というものがないタイプの問題などが入学試験でも出題されるようになってきています。思考力を身につけるというのは口で言うのは簡単ですが、実に難しいことで、即効薬はありません。様々な問題について、いろいろな考え方を知ること、自分でも色々考えてみること、この2つが重要なのですが、実行するのは困難でしょう。

数学の場合、思考力タイプの問題は、数の規則性、図形の作図、図形と動く点の融合タイプなどが多く出題されています。これらの問題は、ただ頭の中で思考するよりも、実際の具体的なデータを投入してみて、それを図示してから思考を組み立てるほうがうまくいきます。動く点の問題だったら、1秒後には点P、点Qはどこにあるか、どんな図形ができるのか、では5秒後は?と、いくつかのケースを図に書き入れてイメージを作っていくことが効果的です。

他の教科の場合、文章、図表、グラフなどから問題点を読み取ったり、現象の理由、背景、対策を考えさせたりするケースが多くなります。一つの現象でも立場の異なる人では捉え方、意見が色々と違ってくるものなので、それらを総合的に考えることができるかどうかが重要になってきます。逆の立場だったらどうなるか、環境が全く違ったらどうなるか、など、立ち位置を変えて考えてみるという想像力が必要とされるわけです。

そういう観点から考えると、いろいろな意見を知るためにはネットを中心とするより新聞などのメディアを中心にした方が適切だと思われます。ネットを中心にすると、自分の意見に近いものに触れることが多くなり、異なる立場の意見に虚心に接するチャンスが少なくなるからです。新聞などのメディアが公正中立なわけではありませんが、少なくとも様々な意見があることを前提とし、それを紹介しようという姿勢はありますから、思考力を育てる教材になると思います。

異なる立ち位置を取る想像力は小論文を書くときにも必要とされるので、小論文対策としても新聞(特に投書欄など)は大変参考になるでしょう。