当塾で勉強した生徒さんが東京大学(文科Ⅲ類)に合格しました。

彼は中国文学古代思想を勉強したいという特殊な志望だけに、現役受験は東大一本に絞って挑戦したのですが、センターの数学で失敗してしまいました。一浪となる今年はセンターでも楽々高得点をあげて早稲田(文)を確保したうえでの東大突破になりました。

今年は東大二次試験の記述問題のチェックに当塾を利用してくれました。(予備校では一人ひとりの記述チェックまでは手が廻らないからです)。その際、合格するだけの力がしっかりついているということはこちらも確認できたので、よい結果を期待していたのです。

彼は受験生へのアドバイスとして、次の二点をあげてくれました。

毎日、まったく手を付けない科目を作らないこと。

日々の学習リズムを確実にルーティーン化することが重要ということです。気まぐれにある一教科を頑張って、翌日は疲れて何もしない。などのムラのある勉強だと力は蓄積しないので、安定して少しずつでいいから各教科万遍なく取り組むことでリズムを作るのがよいということでした。

浪人生は一日のほとんどを勉強にあてることができるので一日に5教科手を付けられるでしょうが、在学中の人はそこまではできないでしょう。

目安としては、三教科受験の人は毎日最低2教科、五教科受験の人は毎日最低3教科手をつけるという意識でよいと思います。きつい場合も、例えば国語なら、感じ熟語をチェックするだけ、数学なら基礎の計算に少し手を付けるだけ、英語なら単語チェックだけでもよいのです。

受験本番に「想定外」は必ずあると思うべし

過去問などで周到に準備をしてきても、出題方法がガラ・・・と変わったり、まったく用意していなかったことを問われたりすることは必ずあります。そういう事態にぶち当たったときは「あ、これが想定外か。」と思うだけで少し落ち着きます。その問題を敬遠して逃げるという選択肢も、もちろん「どこかに攻略の手がかりはないか」と探す選択肢も含め、うろたえた受け身の気持ちでなく、足を地につけた戦う気持ちで眺めなおすことで、よりよい結果につなげていくことができるということです。

実際東大の2次試験で、彼は国語の漢文の出題を見て衝撃をうけたそうです。中国古典は趣味でもあり、漢文はかなり得点源として期待していたのですが、今年は新井白石の文が出題されていて彼の読み込んでいた中国の古典とはかなり雰囲気が違うこと、また逆に漢文が苦手な人にとっては扱いやすい素材となってしまうことが予想され、自分の強みがゼロになってしまうとパニックになりそうになったということです。それでも彼はグッと踏みとどまって違和感と戦いながら最終的に失点を最小限にとどめたのでした。

 

受験生に限らず毎日の学習リズムを作っておくことはとても大切なことです。

 

いつも言っていることですが、やる気の出ないときでもその日学校で何を学習したか思いだしてみるだけでも効果があります。普段の心構えと習慣づけがあれば、受験の学年になってから苦しい思いをして長時間勉強をしなくても必ずいい結果を出すことはできます。